月別アーカイブ: 2017年2月

黒瀬奈緒子『ネコがこんなにかわいくなった理由』(PHP新書)

そういえばこの本を記録しておくのを忘れていた。姉(当然ながら猫好きで2匹飼っている)が貸してくれた。

読み終わったのは1月中だったかもしれない。

いかにも猫好きを騙すようなタイトルと表紙だけど、著者は分子系統学が専門で、ネコ好きではあるけれども主な研究対象はイタチらしい。この本の内容も、確かに一貫してネコ愛にはあふれているのだけど、基本的に真面目な話で、けっこう勉強になる。そしてネコがこんなにかわいくなった理由は……分からない(笑) でも、途中で紹介されるネコ科の動物は、ライオンとトラを除いて、どれもとても可愛いのである。

荻原博子『生き返るマンション、死ぬマンション』(文春新書)

この1年、いま住んでいるマンションの管理組合の理事をやっているのだけど、理事長から「面白かったよ」と貸してもらった本。

後半の章で紹介される、いわばベストプラクティスは、「こんなのウチのマンションじゃ無理だよな~」とも思うし、そういうマンションに住みたいかと言われると、決してそうは言い切れないような例も出てくる。が、まぁ個別具体的な状況が違うだけで、基本は共通するのかな……。その意味で勉強にはなりました。

ところで、これは編集者レベルの問題だと思うし、この本に限ったことではないのだけど、本文中では西暦で書かれているのに、グラフの時間軸は元号表記になっているとか、本文中で「いまからxx年前」と書かれているとか(「いま」が何年なのか奥付を確認する必要がある)、そういうのは何とかしてほしい……。

 

冷泉為人『冷泉家・蔵番ものがたり―「和歌の家」千年をひもとく』(NHKブックス)

大学受験のときは日本史・世界史選択だったのだけど、日本史では基本的に「紅旗征戎」の側面が中心になるわけで、だいたい源平の戦い以降は、公家の出番はほとんどなくなる。しかし、そのおかげで現代に遺されてきた文化もあるわけで、この本を読むと、けっこう長い時代にわたって、日本史のもう一つの側面が実感できるようになってくる気がする。

マルセル・プルースト『失われた時を求めて(7)』(吉川一義訳、岩波文庫)

フランス語教室(休会中)の仲間(たぶん少し年上の女性)が大学の卒論だかをプルーストで書いたということで、爾来、この作品を繰り返し読み、昨今で言う「聖地巡礼」も重ねているそうなのだけど、確かに、読み返せばまた全然違う印象があるのだろうな、という気がしてきた。まぁ他にも読みたい本はたくさんあるし、そんな暇はとてもないのだろうけど。