月別アーカイブ: 2016年4月

遠い太鼓 (講談社文庫) 電子書籍: 村上春樹

これも週末に風邪で引きこもっているあいだに読み始めた。単行本の出版当時に買って読んだものの再読。

永井荷風とか和辻哲郎とか、それくらい昔の紀行ものだったら、もちろん現在とは時代状況が違うということはすんなり受け入れられるのだけど、こういう、自分にとっても記憶のある時代の紀行というのは、却って「今との違い」が際立って感じられて、なんだか辛くなることがある。まぁ今も変わらない部分もたくさんあるのだろうけど。

もっとも、そうやって時間の経過とともに変化する面がある一方で、イタリア・ギリシャとたとえば日本の差異は、当時も今もあまり変わらなかったりするのだろうな……。

 

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日本ラグビーの歴史を変えた桜の戦士たち : ラグビーW杯2015日本代表 全31名, リーチ マイケル, 三上 正貴, 稲垣 啓太, 堀江 翔太, 木津 武士, 畠山 健介, 山下 裕史, 湯原 祐希, トンプソン ルーク, 大野 均, アイブス ジャスティン, 伊藤 鐘史, 真壁 伸弥, マイケル・ブロードハースト, ツイ ヘンドリック, アマナキ・レレィ・マフィ, ホラニ 龍コリニアシ, 田中 史朗, 日和佐 篤, 小野 晃征, 立川 理道, 田村 優, クレイグ・ウィング, マレ・サウ, 松島 幸太朗, 山田 章仁, カーン・ヘスケス, 福岡 堅樹, 藤田 慶和, 五郎丸 歩, 廣瀬 俊朗

風邪で静養せざるをえなかったので、勢いで読んでしまった。

これはRWC2015のジャパンの試合を楽しんだ人にとっては必読といってもいいかもしれない。Amazonのレビューで「(選手)一人につき1回は泣けるようになっている」とあるが、泣けるかどうかはともかく、「おおっ」と思わせるところ、面白いところはそれぞれにある。

日本ラグビーの歴史を変えた桜の戦士たち : ラグビーW杯2015日本代表 全31名, リーチ マイケル, 三上 正貴, 稲垣 啓太, 堀江 翔太, 木津 武士, 畠山 健介, 山下 裕史, 湯原 祐希, トンプソン ルーク, 大野 均, アイブス ジャスティン, 伊藤 鐘史, 真壁 伸弥, マイケル・ブロードハースト, ツイ ヘンドリック, アマナキ・レレィ・マフィ, ホラニ 龍コリニアシ, 田中 史朗, 日和佐 篤, 小野 晃征, 立川 理道, 田村 優, クレイグ・ウィング, マレ・サウ, 松島 幸太朗, 山田 章仁, カーン・ヘスケス, 福岡 堅樹, 藤田 慶和, 五郎丸 歩, 廣瀬 俊朗 : 本 : Amazon.co.jp.

失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫) | プルースト, 吉川 一義

3月中に読み終わりたかったのだけど、この巻は実に700頁。さすがに時間がかかった。

芸術に関する蘊蓄と、どこまでも緻密な印象描写と、色気づく年頃の少年のほぼ同世代?の少女たちへの憧れ(というか妄想)の執拗な自己分析。

確かに歴史に残る作品だとは思うけど、ある意味、名作だという先入観をもって読むから読めるんであって、同時代の読者・評者として挫折せずにこれを読み通して「これは名作」と歴史に残すことに決めた20世紀初頭?の人たちに敬意を払わずにはいられない。

 

失われた時を求めて(4)――花咲く乙女たちのかげにII (岩波文庫) | プルースト, 吉川 一義 | 本 | Amazon.co.jp.

10 -ten- (実業之日本社文庫) | 堂場 瞬一

ラグビー青春小説。ワールドカップが終わり、ラグビーの話題が盛り上がっている頃に書店に並んでいて気になったので、読んでみた(実は図書館で借りたのだけど)。

ん~、作中でも「世界の潮流に逆らう戦法」という位置付けにはなっているけど、さすがに2000年代の大学ラグビーでも、ペナルティからハイパント上げてFW殺到という戦術では勝てなかっただろうし(FWに自信があるならタッチ蹴り出してラインアウトでいいじゃん、と思う)、どんな名手だってそこまでDGは確実な選択肢ではないと思う。

というわけで、競技そのものの展開としては、どうせフィクションなら「All Out!」の方が楽しめるかな。でも、大学ラグビーにおけるOB会からの圧力みたいな話は、なかなか話題にしづらいところだと思うので、そのへんは面白かった。観戦初心者の人にも、まぁまぁお勧めできるかな。でも実際の試合の方が面白いんだよね……。

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現代の金融入門 [新版] (ちくま新書) 電子書籍: 池尾和人

翻訳の仕事をするなかで、金融関係の話題というのはしょっちゅう出てくる。そのたびにいろいろ調べたりして対応しているし、専門家以外の人に比べたら、それなりに理解している方だとは思うのだけど、いかんせん体系的な知識は乏しいので、ひとまずこんなものを読んでみた。

う~ん、さすがにこれくらいはまぁ知っているかなという内容が多かったけど、きちんと一冊読み通したので、何となく達成感(笑) 巻末の用語索引がわりと充実しているので、後日役に立つかもしれない。

それにしてもこの著者、「逆は逆である」という表現をよく使うのだけど、今ひとつ馴染みのない言い方だなぁ。vice versa(逆もまた真)という趣旨だとは思うのだけど。たとえば、

「見返りが大きいほど、資金提供者の利益は高まるが、資金調達者の利益は低下する。そして、逆は逆である。」

みたいな感じ。逆というのは、「見返りが小さいほど、資金提供者の利益は低下するが、資金調達者の利益は高まる」を指しているのだろうから、「逆もまた真である」でいいと思うのだけど。「逆は逆である」は何も言っていないに等しいような。

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