月別アーカイブ: 2013年12月

2013年に読んだ本

2013年の読書メーター
読んだ本の数:91冊
読んだページ数:22854ページ
ナイス数:151ナイス

できることをしよう。―ぼくらが震災後に考えたことできることをしよう。―ぼくらが震災後に考えたこと感想
年をまたいでこの本を読了。「できること」はいろいろあるなぁ。
読了日:1月1日 著者:糸井重里&ほぼ日刊イトイ新聞
私の食物誌 (中公文庫)私の食物誌 (中公文庫)感想
初・吉田健一。面白かった。この独特の文体は実は外国語翻訳にだいぶ影響されているのではないかと感じた。「酒の味その他」が秀逸。再読したい。
読了日:1月8日 著者:吉田健一
右からの脱原発右からの脱原発感想
パンフレット程度の内容なのであっというまに読了。とはいえ、その主張は悪くない。すべての右翼に読んでもらいたい(私は左翼だけど)。
読了日:1月10日 著者:針谷大輔
世界で勝たなければ意味がない―日本ラグビー再燃のシナリオ (NHK出版新書 392)世界で勝たなければ意味がない―日本ラグビー再燃のシナリオ (NHK出版新書 392)感想
当たり前のことばかりと言ってしまえばそれまでなのだけど、こういうことをしっかり言える人が協会上層部に入ったというのは大きい。
読了日:1月12日 著者:岩渕健輔
原発危機の経済学原発危機の経済学感想
タイトルからして当然「命の話ではなく金の話」なのだけど、とはいえ有益な知見があれこれ得られる本。筋としては、収益事業として軽水炉事業は存続(再稼働容認)という方向なのだけど、ただ、著者がそのために必要と考えている前提条件(日本の投資文化のありようとか)を考慮すると、実質的には再稼働は無理(というか、その条件を満たすためにものすごく時間がかかる)という結論になってしまいそう。
読了日:1月17日 著者:齊藤誠
そして、人生はつづくそして、人生はつづく感想
いつもながらの佳書。とはいえ、杉並区立図書館に対する批判は「公正を欠く」と言ってもいいほど誤解を招く表現であると思う。
読了日:1月17日 著者:川本三郎
戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)感想
その特殊な状況にいろいろ感銘を受ける点が多い。直前に読んだ『原発危機の経済学』にあった一文をふと思い出したのだが、いま手許にないので正確を期して後日コメントで引用する。
読了日:1月20日 著者:吉田満
性格とはなんだったのか―心理学と日常概念性格とはなんだったのか―心理学と日常概念感想
特にこの分野に関心があったわけではないが、著者(@ynabe39)のふだんのツイートが面白いので、図書館で借りて読んでみた。きちんとした学術論文だが、期待した以上に面白かった。性格心理学だけでなく、一般的に学問についての批判的検討としても読むことができる。終盤の「自分がいま考えていることが、すべてすでに書かれている」という人文学的感覚にしみじみ感じ入るし、最後の「本書で分析してきたさまざまなことは、そうした位置づけのごく最初の一歩にすぎない」という結びが(決まり文句なのかもしれないけど)かっこいいのだ。
読了日:1月28日 著者:渡邊芳之
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密 (サイエンス・アイ新書)銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密 (サイエンス・アイ新書)感想
「科学」と銘打たれてはいるけど、別に物理学や化学がばしばし出てくるわけではない。
読了日:2月1日 著者:かのよしのり
原発のコスト――エネルギー転換への視点 (岩波新書)原発のコスト――エネルギー転換への視点 (岩波新書)感想
既にいろいろ読んできたので特に新鮮な情報はなかったけど、類書に比べて原発災害の損害賠償関係の記述が充実しているように思った。『原発危機の経済学』の方が得るところは多いかも。
読了日:2月2日 著者:大島堅一
言語と貧困―負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ―言語と貧困―負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ―感想
翻訳という仕事柄、いろいろと考え込まざるをえないものを感じる。私の仕事などは、本来は「英語のできない人が、元々英語で書かれていた情報を享受できるように」する仕事なんだよな……。
読了日:2月9日 著者:松原好次,山本忠行
新編 酒に呑まれた頭 (ちくま文庫)新編 酒に呑まれた頭 (ちくま文庫)感想
いやはや、よく飲むなぁ(笑) 飲み歩く店も、旅行で訪れる先も、新しい所ばかり開拓するのではなく、いくつか巡回先を定めるのがよいという説に我が意を得た感じ。先に読んだ『私の食物誌』に比べればすいぶん自然な文体。こちらの方が若い頃に書いたものらしい。
読了日:2月20日 著者:吉田健一
学力と階層 (朝日文庫)学力と階層 (朝日文庫)
読了日:2月20日 著者:苅谷剛彦
帝都ウィーンと列国会議―会議は踊る、されど進まず (講談社学術文庫)帝都ウィーンと列国会議―会議は踊る、されど進まず (講談社学術文庫)感想
時代がかった雰囲気を出したいのだろうが、「取り潰し」「改易」「お国替え」など日本の時代物から流用したような言い回しが多く、ナポレオン=「エルバの流人」、ウィーン=「パイアケスの島」などと持って回った表現を多用するところも鼻につく。が、まぁそれは我慢できないでもないご愛敬。何より、これほど大きな意識の変化があったのが、今からたかだか200年ほど前でしかないというところに、分かっていたこととはいえ、改めて感銘を受ける。
読了日:3月3日 著者:幅健志
TOKYO 0円ハウス 0円生活 (河出文庫)TOKYO 0円ハウス 0円生活 (河出文庫)感想
こういうのを読むと、処分する予定の棚板とかアルミパイプとかも何かに使えるんじゃないかと思えてくるのだけど、何しろ自分の大工仕事の工作精度がきわめて低いので期待薄かも(笑) この後『ぼくの住まい論』を読む予定なので、偶然「家」テーマが続くことになる。
読了日:3月6日 著者:坂口恭平
ぼくの住まい論ぼくの住まい論感想
日頃から著者のブログなどを読んでいる身にとってはだいたい「いつもの話」なのだけど、新築した道場兼住居を語りながら、ところどころで、裂け目から噴出してくるような思いが、よい。
読了日:3月9日 著者:内田樹
脱資本主義宣言: グローバル経済が蝕む暮らし脱資本主義宣言: グローバル経済が蝕む暮らし感想
グローバリズム/新自由主義がもたらす諸々の問題を指摘するという点では、よい啓蒙書。しかしそれに対置する価値観として、宇宙の成り立ちだの生命の進化だのを持ち出すのは、むろんそれが原点なのだとしても、あまりにも「そもそも論」すぎて実践性に乏しいのではないかと思う。
読了日:3月13日 著者:鶴見済
いま、憲法は「時代遅れ」か―〈主権〉と〈人権〉のための弁明(アポロギア)いま、憲法は「時代遅れ」か―〈主権〉と〈人権〉のための弁明(アポロギア)感想
冷静な論考という印象。
読了日:3月19日 著者:樋口陽一
息子へ。息子へ。感想
個人的なメッセージなので物足りない部分もあるけど、それを除けばしごく真っ当な内容。これくらいのことが「常識」になってほしいものです。
読了日:3月20日 著者:飯野賢治
和解のために-教科書・慰安婦・靖国・独島 (平凡社ライブラリー740)和解のために-教科書・慰安婦・靖国・独島 (平凡社ライブラリー740)感想
批判すべき相手は、韓国にとっての「日本」、日本にとっての「韓国」ではなく、双方の国家主義、排外的民族主義なのだ、というきわめて真っ当な姿勢。 >日本のいわゆる「良心的知識人」と韓国との連帯は、共通の価値をめざしているかのようにみえながら、韓国からの批判が民族主義に基づく本質主義的なものであり、日本の側はみずからの問題を問おうとする脱民族主義的批判であった点では、アイロニーに満ちた連帯であった。(本書p221~222)
読了日:3月28日 著者:朴裕河
ロードバイク進化論ロードバイク進化論感想
ちょいと他の本に寄り道していたので時間がかかったが、読了。フレームからコンポ、細かなパーツ、ボトルケージからウェアに至るまで、ロードバイクのありとあらゆる側面について歴史をたどった意欲的な本。ただし詰め込みすぎて個々の要素については表面的な記述に留まった感もある。イラストや写真はあるが、仕組みの詳しい説明はないので、興味を覚えたのに物足りない部分については、ウェブなど他の情報源で補うしかない。
読了日:4月1日 著者:仲沢隆
パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (ソフトバンク文庫)パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (ソフトバンク文庫)感想
ドイツ人の著者によるフィクション(この「酋長」は実在しない)という評価があるようだが、それも込みで読んでもなかなか興味深い。
読了日:4月2日 著者:エーリッヒ・ショイルマン,ErichScheurmann
辺境ラジオ辺境ラジオ感想
偶然のタイミングだけど「祈り」の意味についての話が出てきたのが興味深かった。ときどき暴走するのが面白いなぁ。西氏の結婚への展望をめぐる箇所とか。
読了日:4月5日 著者:内田樹,名越康文,西靖
電池の「なぜ?」がわかると未来が見える (じっぴコンパクト新書)電池の「なぜ?」がわかると未来が見える (じっぴコンパクト新書)感想
あまりにも網羅的で、う~ん、正直なところ得るものは少なかった…。
読了日:4月11日 著者:京極一樹
五〇〇億ドルでできること五〇〇億ドルでできること
読了日:4月21日 著者:ビョルン・ロンボルグ
宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ (岩波科学ライブラリー (114))宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ (岩波科学ライブラリー (114))感想
さすがに情報量が少ない(笑) あっというまに読めるけど。やはり自分にはもう少し「手を動かす」本の方がいいかな。でも続編も読もうかと。しまりす君はあまり可愛くないけど先生が可愛い。
読了日:4月25日 著者:佐藤俊哉
憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書)憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書)感想
決して空論ではなく現実的な話だとは思うのだけど、何というか、斜度20%が何キロも続くような感じ。本書に書かれているような「九条の軍事戦略」を実現するために、ではまず何から着手するのか。とりあえず2013年5月の時点では、正反対の方向をめざしている安倍政権にお引き取り願うしかない。それでも、ほんの第一歩にすぎない。
読了日:4月30日 著者:松竹伸幸
自転車の教科書自転車の教科書感想
賛否両論ある主張なのだろうとは容易に想像できるけど、ロードに乗り始めたばかりの私にはこの本を評価するような資格はなさそう。でも面白かった。8の字乗りはいずれにせよ有益だろうからマンションの前の私道で練習してみよう。
読了日:4月30日 著者:堂城賢
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)感想
まだ上巻だが、それでも現代文明というか、今の自分の生活を省察するうえでの有益な手がかりはいくつもあるように思う。「崩壊」を単一の要因に帰すことをできるだけ自制しようとする著者の姿勢には好感が持てる。
読了日:5月7日 著者:ジャレド・ダイアモンド
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)感想
原発をめぐる論議の際にも思ったのだが、「今の生活水準を維持するためには」ということを前提としてはいけないのだ、とこの本を読んで改めて思う。だって生活水準を下げなければ「もたない」のだから。自家用車は使わず公共交通機関を利用する(あるいは「自転車」!)、エアコンは極力使わない、24時間365日営業のコンビニも極力使わない、というのは「生活水準の低下」と解されるかもしれないが、文明の後退では全然ないし、いわんや幸福の減少ではまったくないのだから。
読了日:5月13日 著者:ジャレド・ダイアモンド
父・こんなこと (新潮文庫)父・こんなこと (新潮文庫)感想
老親の看取りとか親との葛藤/愛情とか、この本の眼目とされるテーマはいろいろあるのだろうけど、読後いちばん印象に残っているのは「水を甘く見るな」だったりする。読み終わって本棚に収めようとしたら、同じ本がすでにあるのを発見。並べておく。
読了日:5月22日 著者:幸田文
児童労働撤廃に向けて―今、私たちにできること (アジ研選書)児童労働撤廃に向けて―今、私たちにできること (アジ研選書)感想
ちょっとご縁ができた方が執筆陣に名を連ねているので、総論である1章、その方が書いている章、それに日本のこれまでの状況をまとめた最終章のみ読了。倫理的消費という考え方。
読了日:5月28日 著者:
原発事故の理科・社会原発事故の理科・社会
読了日:6月8日 著者:安斎育郎
氷川清話 夢酔独言 (中公クラシックス)氷川清話 夢酔独言 (中公クラシックス)
読了日:6月10日 著者:勝海舟/勝小吉
知っておきたい太陽電池の基礎知識 シリコンの次にくるのは化合物太陽電池? 有機太陽電池でみんなが買える価格に? (サイエンス・アイ新書)知っておきたい太陽電池の基礎知識 シリコンの次にくるのは化合物太陽電池? 有機太陽電池でみんなが買える価格に? (サイエンス・アイ新書)感想
震災・福島第一原発の事故の前に書かれた本。もう少し、製造に要するエネルギー量も含めたコスト面について触れてほしかった気もする。コストの話が、わりとエンドユーザーにとってのコストに偏っているような。
読了日:6月10日 著者:齋藤勝裕
明日からつかえるシンプル統計学 ~身近な事例でするする身につく最低限の知識とコツ (現場の統計学)明日からつかえるシンプル統計学 ~身近な事例でするする身につく最低限の知識とコツ (現場の統計学)感想
私のニーズからすると、さすがにこれはシンプルすぎた。「明日からつかえる」「現場の」という標題に嘘はないと思うが、わりと常識的な内容に終始しているような気がする。計算とかはすべてExcel任せという方針なので、数学的な知識はほとんどまったく必要ない。
読了日:6月14日 著者:柏木吉基
いまから始める心拍トレーニングBOOKいまから始める心拍トレーニングBOOK感想
編者が親戚筋なので読んでみた。面白かったけど、一定の心拍ゾーンをターゲットとして維持できるトレーニング環境が、そもそもあまり多くないよなぁ、という気がする。ふだんの、たとえば自転車通勤とかがどれくらいの負荷なのか、という目安にはなっても。
読了日:6月17日 著者:山と溪谷社
倒れるな倒れるな感想
ラグビーファンなら読むべき本。ウチダ先生や平尾さんなら恐らく否定的に捉えるだろうウェイトトレーニングに熱心に取り組んでいる選手だが、それが実は単に「パワーを付ける」とか「大きな重量を挙げる」ということではなく、自分の身体を理解する、「割っていく」話につながっていくところが面白い。ゴーストライターの力をたぶんほとんど借りていないのか、分かりにくい部分がないわけではないけど、その分かりにくさがいかにも小野澤、という感じの文章。
読了日:6月23日 著者:小野澤宏時
ラグビーに生きるラグビーに生きる感想
小野澤の本とは対照的に、しみじみと泣かせる感じ。双方の人柄を上手く出せているのは編集部の功績かな。もう一冊の坂田さんはあまり馴染みがないのでまだ買っていないのだけど、やはり読んでみるか。
読了日:6月23日 著者:大野均
ノンちゃん雲に乗る (角川文庫 緑 342-1)ノンちゃん雲に乗る (角川文庫 緑 342-1)感想
川本三郎『郊外の文学誌』の「はじめに」で取り上げられていて、再読したくなった。再読とは言っても、読んだのはたぶん小学生の頃。少しも悲しい話ではないのに随所で泣けるのは、懐かしさというよりも、年を取ったからなのだろうなぁ。主人公の年代はだいぶ違うけど、『君たちはどう生きるか』の女子版という気がしなくもない。『君たちは…』も手許にあるので、これもまた読んでみたい。
読了日:6月24日 著者:石井桃子
憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)感想
あとあと言及したくなる論点がいろいろ盛り込まれた、面白い本。図書館で借りたけど、これは買ってもいいな。
読了日:7月2日 著者:長谷部恭男
若者を見殺しにする国 (朝日文庫)若者を見殺しにする国 (朝日文庫)感想
問題提起それ自体は、意義深いものだと思う。が、本書がかなり依拠している堀井憲一郎の著作(だいぶ前に読んだ)もそうなのだけど、「意志のある敵」を想定してしまっている部分で、状況を見誤り、解決への道を見失っているのではないかという気がする。
読了日:7月10日 著者:赤木智弘
構造的暴力と平和 (中央大学現代政治学双書)構造的暴力と平和 (中央大学現代政治学双書)感想
すでに「歴史」となった事象に関する理論的な文献であっても、「いま、ここ」に関する手掛かりがたくさん含まれているのだなぁと感じさせる。それにしても、最後の最後でなにやら神秘主義的な主張が唐突に出てくるのはなぜなんだ……。
読了日:7月24日 著者:ヨハン・ガルトゥング,高柳先男,塩屋保,酒井由美子
もりのへなそうる (福音館創作童話シリーズ)もりのへなそうる (福音館創作童話シリーズ)感想
話はすっかり忘れていたのだけど、自分が「子ども返り」するときの原点はここなのだということを発見(笑)
読了日:7月28日 著者:わたなべしげお
いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)感想
ものすごく教育的なお話かと思っていたのだけど、そうでもなかった(笑) 「いやいやえん」のエピソードは最後の一章だけだったというのが意外。それ以外の、鯨や熊や狼が出てくるところはまったく覚えていなかった。
読了日:7月28日 著者:中川李枝子
発送電分離は切り札か: 電力システムの構造改革発送電分離は切り札か: 電力システムの構造改革感想
日本のような地域独占・垂直統合型の電力体制は、高度成長期にはふさわしかったが、現代のような安定・低成長の時代には不適切であるという分かりやすい話。反/脱原発を主張する本ではなく、原発についてはほんの数ページでさらっと触れられているだけで、もっぱら経済性という観点からすでに「終わっている」扱いであるのが興味深い。上述の経済成長のステージに基づく構造分離が実現していれば、別に原発などなくても電力の安定供給やコストという点でも問題はないのだ。
読了日:7月30日 著者:山田光
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―感想
読み終わったのに記録していなかった。基本的には悪くないんだけど、何だか水増し感を感じるのはなぜ。
読了日:8月5日 著者:安冨歩
メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故感想
前半は、だいたいにおいて知っている経緯ながら、ここまで危なかったのかと改めて肝を冷やす迫真の叙述。一転、後半はひたすらウンザリ。といっても著者が悪いのではなく、こんな連中が原発を、そして国を動かそうとしているのかという現実にウンザリさせられる。この本では描かれていない部分での「動き」に、もちろん期待を寄せざるをえないわけだが。
読了日:8月6日 著者:大鹿靖明
風立ちぬ風立ちぬ感想
言うまでもなく、映画を観た勢いで30年ぶりくらいに再読。全体としてどうのこうのという以前に心に残る場面がいくつもある、という点では、宮崎駿が作ったアニメと共通しているのかもしれない。こういうのを読むと主人公や主な登場人物に共感できるかどうかなどというのは作品の評価にはほとんどまったく関係ないのだということを改めて実感する。
読了日:8月13日 著者:堀辰雄
ヒルクライマー宣言 自転車で山に登る人 (小学館101新書)ヒルクライマー宣言 自転車で山に登る人 (小学館101新書)感想
と、ちょうど3年前にはこんな感想を書いていたのか、としみじみ思う。初読の日付を見ると、BD-1を買った直後。その後結局、今年3月にはロードレーサーを買い、ヒルクライムレースに出る予定は今のところないものの、峠を走る必要から、何かの参考になるかと本書を読み返すことになった。それも、初読のときは図書館で借りたのに、今回は買ってしまった。
読了日:8月21日 著者:高千穂遙
踊ってはいけない国、日本 ---風営法問題と過剰規制される社会踊ってはいけない国、日本 —風営法問題と過剰規制される社会感想
この種の編集本にありがちだけど、玉石混淆という印象。クラブカルチャーの現場に近い人の文章/言葉は、リアルなわりに説得力に乏しく、宮台・千葉・開沼といったあたりの言葉には、何というか生身の身体がまるで感じられない。佐々木・津田・坂口あたりがしっくり来る。特に佐々木。彼の本は確か1冊買っただけで読んでいないのだけど、面白いのかも。
読了日:8月21日 著者:磯部涼
銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)感想
家人につられて読んでみた。スペースオペラという印象。用兵や戦闘の展開なんかは、妙な言い方だけど史実をベースにしている感じ。ナポレオンのロシア遠征やトロイの木馬。
読了日:8月25日 著者:田中芳樹
君たちはどう生きるか (岩波文庫)君たちはどう生きるか (岩波文庫)感想
小中学生の頃に読んだのだと思う。確かに子ども向けの本ではあるのだが、この本の価値は大人になってから読み返さないと分からないのではないか。名著としか言いようがない。
読了日:8月25日 著者:吉野源三郎
銀河英雄伝説〈2〉野望篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈2〉野望篇 (創元SF文庫)感想
せっかく読み始めたのだから全部読む(笑)
読了日:8月30日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫)感想
査問会のあたりが好き、とかいうのはやはり変な奴なんだろうな(笑)
読了日:8月31日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説〈4〉策謀篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈4〉策謀篇 (創元SF文庫)感想
「伝説を語り継ぐ者としてのユリアン」という位置付けが見えてきた気がする。http://blog.tatsuru.com/2010/11/22_1626.php
読了日:9月2日 著者:田中芳樹
勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常 (岩波新書)勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常 (岩波新書)感想
結局こういう戦争をやっていると、相手としては米国本土での破壊工作しか手段がなくなってくるわけで……あまり分のいい話ではないな。「テロリスト」の拠点としてソマリアやイエメンなどの名前が挙がっているけど、米国国内の破綻した地域(最近話題になったデトロイトとか)も危ないんじゃないかという気がする。
読了日:9月2日 著者:大治朋子
銀河英雄伝説〈5〉風雲篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈5〉風雲篇 (創元SF文庫)感想
ライトノベル的な薄さや粗さはあるけど、いまや現実の方が薄っぺらな感じで、その分、この本で説かれる民主制/独裁制みたいなテーマが痛切に感じられるようになっている皮肉な状況。本巻は「決戦」ではあるが、どうせ(?)痛み分けみたいな感じで幕引きだろうと思っていたら、全体の状況が思わぬ展開に。
読了日:9月3日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 (創元SF文庫)
読了日:9月7日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)
読了日:9月8日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説 〈8〉 乱離篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説 〈8〉 乱離篇 (創元SF文庫)
読了日:9月9日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説〈9〉回天篇 (創元SF文庫)
読了日:9月10日 著者:田中芳樹
銀河英雄伝説 〈10〉 落日篇 (創元SF文庫)銀河英雄伝説 〈10〉 落日篇 (創元SF文庫)感想
読了。落としどころはやはり立憲君主制なのか……。
読了日:9月11日 著者:田中芳樹
秩序の夢: 政治思想論集秩序の夢: 政治思想論集感想
丸山真男や和辻哲郎といった名前ならまだしも馴染みがあるが、北畠親房だの熊沢蕃山だのになると、もはや「そういえば受験の日本史でそんな名前が出てきたなぁ」くらいの認識しかない。西洋哲学なら少しは読んでいても朱子学となると「はぁ?」となってしまう自分の偏り具合が情けない。しかしそんなアウェイな世界でもしみじみと読み耽ってしまう。装幀だけでなく、本としての佇まいが美しい本。もっと本を読みたくなる本。いや、褒めすぎだな。
読了日:9月17日 著者:苅部直
哲学の自然 (atプラス叢書03)哲学の自然 (atプラス叢書03)感想
以前は、ソクラテス以前の哲学者への関心というのはよく理解できなくて、いかにも哲学「業界」の衒学趣味のように感じていたのだけど、最近少しずつ、そうでもないのかなという気がしてきた……。などと、この本の直接の内容にはあまり関係のない感想。
読了日:9月22日 著者:中沢新一,國分功一郎
菜穂子菜穂子感想
思うこと・感じることをほとんど表に出すことのないまま、内省的に煩悶する主人公たち。日本のある程度知的な部類に属する「近代人」の一つのあり方だったのだろうなぁという感じ。
読了日:9月25日 著者:堀辰雄
オリンピックの身代金(上) (角川文庫)オリンピックの身代金(上) (角川文庫)感想
1964年の東京五輪直前の時期を舞台として、格差拡大のなかで犠牲を下層に押しつけつつ、五輪の恵沢を受けて繁栄する東京…という構図を「2008年の時点」で描くのは、もちろん2020年(それ以前に2016年)東京五輪招致を(批判的に)念頭に置いているのだろうけど、震災・原発事故以前の時点で「その一方で置き去りにされる東北」という設定が選ばれていたことに、的中してしまった不幸な予言を感じつつ、別にそれは予言でも何でもなくてこの国の構造的なものだ、とも思う。引き続き下巻へ。
読了日:9月29日 著者:奥田英朗
オリンピックの身代金(下) (角川文庫)オリンピックの身代金(下) (角川文庫)感想
通常「クライマックス」と称されるであろう場面が終わった後、「その翌日」の描き方に何とも言えない凄みを感じる。ある意味、この作品で本当に壮絶で戦慄を覚えるのはラストの数ページなのだ。この小説の「2013年版」を出すとすれば、すべてこのままで、最後に一行、「それから、50年が経った」とだけ付け加えたい。
読了日:10月1日 著者:奥田英朗
修業論 (光文社新書)修業論 (光文社新書)感想
ウチダ先生の本はこれまでたくさん読んでいるので、「どこかで読んだ話」が繰り返し出てくるのは事実なのだけど、前に読んだ本を読み返さなくても、同じ話から新たな意味を引き出す機会が得られるとも言える(笑) この本のなかでは、一番短い第3部「現代における信仰と修業」が一番よかったかも。最後の司馬遼太郎論はこれまでの著作やブログではほとんど読んだ覚えのない話。
読了日:10月2日 著者:内田樹
シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)感想
わけわからん、というのが読後の感想。著者が悪いわけではなく、状況が複雑すぎるのだ。基本的にアサド政権に同情的な視点から書かれているので、昨今の報道を相対化するにはいい本だと思う。
読了日:10月11日 著者:国枝昌樹
気仙沼に消えた姉を追って気仙沼に消えた姉を追って感想
故郷=気仙沼とのつながりを取り戻す(故郷にしがみつく)ために、気仙沼という街と、その震災被害について話を聞き、記述しよう……という著者の個人的=職業的な選択に感じ入る。次に読んだ本についてもそうなのだけど、個人的な問題意識と職業的な「やるべきこと」が重なる人/状況への羨望もあり、重なっていないことの気楽さもあり。 そういえば、『駅伝がマラソンをダメにした』で有名(?)な著者だが、同い年だったんだなぁ。この本に出てくる芝居関連の話が、どんぴしゃで共通体験。
読了日:10月18日 著者:生島淳
フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会感想
今週末に、この本で語られている旧騎西高校=双葉町の避難所で歌う予定があるので、読んでみた。避難所という一つの切り口から、さまざまな論点に展開させていく良書。結局は、この社会において民主主義はどうあるべきなのか、という話につながっていく。そこで次に読む本が決まった。
読了日:10月21日 著者:舩橋淳
来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題 (幻冬舎新書)来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題 (幻冬舎新書)感想
これだけ憂鬱で厄介な主題について、明快かつ楽しげに語れるのが、「知性のもたらす明るさ」を感じさせて素敵だ。きっかけは都道建設問題だけど、そこから入って「根源的に考える」という哲学者の本領が発揮されるので、それ以外の、たとえばもっと国政レベル(脱原発とか)の問題についても十分に援用可能なパラダイムが提示されている。そしてこの本を読んだことで、次に読む本も決まった。スタンスとしては共通するものがあるが、住民側ではなく、行政側から書かれた本。
読了日:10月24日 著者:國分功一郎
やさしいライオン (フレーベルのえほん 2)やさしいライオン (フレーベルのえほん 2)
読了日:10月25日 著者:やなせたかし
闘う区長 (集英社新書)闘う区長 (集英社新書)感想
國分功一郎『来るべき民主主義』と合わせて読むと興味深い。当たり前のことだが、こういう首長/議員を選ぶというのも、大切な(そして最も手軽な)一つの手段。
読了日:10月27日 著者:保坂展人
シークレット・レース (小学館文庫)シークレット・レース (小学館文庫)感想
ドーピングという陰鬱な問題に正面から切り込む内容であるにもかかわらず、それでも読んでいてサイクルロードレースが愛おしく思えてくるのが不思議。このスポーツやスター選手に対する幻滅というのを意外なほどに感じなかった。「当時、ドーピングをしないで勝てたのか」という疑問に対するハミルトンの答えが、ロードレース観戦のポイントでもあるようで興味深い。ドーピング問題に限らず、ロードレースを観戦するうえで貴重な情報がたくさん含まれている本。
読了日:10月30日 著者:タイラーハミルトン,ダニエルコイル
想像ラジオ想像ラジオ感想
“「聞こえていた言葉がしだいにか細くなってゆき、やがて聞こえなくなる」まで耳を澄まし続けるというのが服喪儀礼である。” (「声を聴くことについて」http://blog.tatsuru.com/2010/10/28_1334.php)
読了日:11月4日 著者:いとうせいこう
アラフォーからのロードバイク  初心者以上マニア未満の<マル秘>自転車講座 (ソフトバンク新書)アラフォーからのロードバイク 初心者以上マニア未満の<マル秘>自転車講座 (ソフトバンク新書)感想
ふだんよく買い物をしているY’s Roadの別店舗の方が書いた本。「帰ってきたらすぐにチェーンを乾拭きする」「曲がるときは膝を使う」というのが参考になった。ホイールを替えるのは興味あるけど、別に自分のは、性能を追求する自転車ではないからなぁ……。
読了日:11月4日 著者:野澤伸吾
終りなき戦い (ハヤカワ文庫 SF (634))終りなき戦い (ハヤカワ文庫 SF (634))感想
読んでいてひたすらウンザリする本。というのも、冒頭の「日本語版への序文」で著者が明らかにしているように、この作品はベトナム戦争の暗喩となることを想定して書き始められたものだからだ。つまり、従軍経験者にとってベトナム戦争はこのようにひたすらウンザリするものだったのだろう。作品が完結したときにはまだベトナム戦争は終わっていなかったということなので、作品がこういう幕切れを迎えるのは思わぬ予言的中ということなのかもしれないが。
読了日:11月8日 著者:ジョー・ホールドマン
イワナの夏 (ちくま文庫)イワナの夏 (ちくま文庫)感想
私自身に釣りの趣味はないのだけど、味わい深く読める。本書解説では「美しい文学作品」と評しているけど、そのとおりだ。フィクションだけが文学作品ではないのだから。この本は脱/反原発のデモ仲間が貸してくれたのだけど、なんというか、ありがたいことに、いま付き合いのあるデモ仲間には、金銭的な意味ではない「豊かさ」を下地に持っている人が多い気がしていて、そういう「豊かさ」を渓流釣りというジャンルで表現している作品だと思う。
読了日:11月13日 著者:湯川豊
時間と自由 (岩波文庫)時間と自由 (岩波文庫)感想
むむむ、難しい! しかし大学生の頃はこれを「ふんふん、なるほど」とすらすら(ってほどではないかもしれないけど)読めていたのだ。まぁカントも含めて、そういう流れのなかで読んでいたから、頭のなかがそれに馴染んでいるっていうのが大きかったんだろうなぁ。難しいとは言っても、この本の基本的な考え方は理解しているので、「あ~、もう分かっているから七面倒くさい説明はもう止めて!」という感じなのだけど。
読了日:12月5日 著者:ベルクソン
なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか (小学館101新書)なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか (小学館101新書)感想
う~ん、よくまとまってはいるけど、ビジネス本の書き手という著者の立ち位置がそうさせるのか、どうも男性・女性の位置付けがステレオタイプに過ぎるように思う(まぁある意味それもタカラヅカの魅力とオーバーラップしているのかもしれないけど)。この本を先に読んでいたら宝塚歌劇を観に行こうという気にはならなかったかもしれない。入口としては「ZUCCA×ZUCA」の方が優れている気がする。
読了日:12月8日 著者:中本千晶
私の百人一首 (新潮文庫)私の百人一首 (新潮文庫)感想
著者の、和歌への愛情だけではなく、(小倉百人一首撰者である藤原定家をはじめとして)昔の「和歌を愛していた人たち」への愛情も感じられるところが良い。「たいして良い歌とも思えないが、とはいえ、こういうところが評価されていたのだろう」といった趣旨の表現にそれを感じる。百人一首以外に同じ作者の歌が紹介されていることも多く、そちらにむしろいい歌を見出すことがあるのも楽しい。一例を挙げれば、在原業平の「月やあらぬ……」の歌など。
読了日:12月10日 著者:白洲正子
離島の本屋 22の島で「本屋」の灯りをともす人たち離島の本屋 22の島で「本屋」の灯りをともす人たち感想
「離島」+「本屋」というどう考えても魅力的なテーマ。とりあえず、近場とも言える伊豆諸島や、サイクリングロードとして有名な「しまなみ海道」が経由している島々あたりを訪れたくなった。どの章も終わり方がちょっと感傷的に過ぎるのが気になるけど、寛容に捉えれば、そうならざるをえないテーマとも言える。取材の後、この本にまとめるに当たって改めて連絡を取ってみた様子も付記されているのだが、その後閉店してしまったという例が一つならずあるのが寂しく、離島に限らず書店が置かれている厳しい状況を思わざるをえない。
読了日:12月12日 著者:朴順梨
かけ算には順序があるのか (岩波科学ライブラリー)かけ算には順序があるのか (岩波科学ライブラリー)感想
基本的にはこの問題についての論点はすでにほぼ出尽くしているのだろうと推測される。この本で取上げられていないのは、「どちらを変数と見るかによって、どちらを後ろに置くかは変ってくる」という点であり、その意味ではかけ算の「正しい」、あるいは「自然な」順序が語りうるとしても、それは多分に文脈依存であるような気がする。
読了日:12月16日 著者:高橋誠
福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと感想
「私たちは古来、人類が有していた自然にたいする畏れの感覚をもう一度とりもどすべきであろう」という結論はあまりにも陳腐と言えば陳腐だが、科学技術史を踏まえてその結論に至る過程は論理的で説得力がある。脱/反原発の立場をとる者として読めば当たり前のことしか書いていないとも言えるが、それでも読む価値はある。ちょっと孫引きが多い印象を与えるのが残念だが、福島第一原発事故を受けた緊急出版という趣ゆえ、そのへんはしかたがないのかもしれない。
読了日:12月17日 著者:山本義隆
ラグビー「観戦力」が高まるラグビー「観戦力」が高まる感想
う~ん、中途半端という印象が強いかなぁ。観戦初心者には不親切な一方で(必要な情報は網羅されているのだけど整理が今ひとつ)、長年観てきた者にとっては、面白いと思う部分があちこちあるのに突っ込みが足りない、という感じ。
読了日:12月19日 著者:斉藤健仁
冷泉家 八〇〇年の「守る力」 (集英社新書)冷泉家 八〇〇年の「守る力」 (集英社新書)
読了日:12月25日 著者:冷泉貴実子
眠れなくなる宇宙のはなし眠れなくなる宇宙のはなし感想
手をつけていなかった同シリーズの残り2冊を読むべく、まずこれを再読。おお、最初に読んだのはもう4年前か。というか、4年前にはもう読書メーター使っていたのか。それはさておき、これほど易しく書かれている本なのに、それでも再読の方が理解が深まる気がする。最近聴くことが多くなったBump of Chickenの歌詞が引用されているのにはビックリ。
読了日:12月26日 著者:佐藤勝彦
ますます眠れなくなる宇宙のはなし〜「地球外生命」は存在するのかますます眠れなくなる宇宙のはなし〜「地球外生命」は存在するのか感想
「生命」スケールにまで話が近づいているせいか、前作よりもさらに取っつきやすい印象。そういえば一時期SETI@Homeに参加していたなぁ。『幼年期の終わり』を図書館で予約してしまった。引き続き、第三作へ。
読了日:12月29日 著者:佐藤勝彦
気が遠くなる未来の宇宙のはなし気が遠くなる未来の宇宙のはなし感想
タイムスケールということについて考えさせられる。たとえば読売新聞の社説だかで「放射能は1000年ほどで無害なレベルになる」などと書かれていると、それ自体の事実誤認もさることながら、そもそも1000年=30世代以上という時間(現代から遡れば平安後期くらいか)を軽々しく扱ってしまう歴史感覚の貧困に呆れかえるわけだが、その一方で本書のような話では10億の34乗(だったかな?)といった時間が扱われるわけで、そうすると10万年後など些細な時間のような倒錯的な感覚が生じてくる。
読了日:12月30日 著者:佐藤勝彦

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