つながりのある文章ではなく、A4の用紙で1枚からせいぜい3枚くらいの単位の「項目」的なものを次から次へと翻訳する仕事をしていると(この2週間で275枚やった)、なんだかきちんとストーリーのあるものを読んで、頭をきちんと回転させたいというか、「流れる」ようにしたい気になってくる。
で、仕事をしながらふと聴いたRay Charlesの歌から思い出した、この小説を。何度か読んだはずだけど、ずいぶん久しぶりに読み返す。
わりと新しい(それでももう数年前だが)『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』に至るまで、同じことを繰り返し書いている作家なのだなぁということを改めて実感。「人は成長しなければいけない」「でも成長というのは基本的には悲しいことだ」という、ほぼ、それだけ。
それだけ、なんだけど、それだけでいいじゃん、というのが私の評価。