月別アーカイブ: 2014年12月

「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書): 長嶋 修

家人が図書館から借りてきて面白かったというので便乗して読んでみた。

終盤の、「エネルギー問題と住宅政策」は話が散漫だし、最後の海外不動産投資の話は「誰に向けて書いているの?」という感じで本書に含めるのはどうかと思うが、1章の不動産業界の内幕について書かれた部分はなかなか興味深いし、2~4章あたりの「本題」部分は、著者があくまでも実務ベースの人で研究者ではないので分析にあまり深みはないものの、悪くないと思う。

 

Amazon.co.jp: (036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書): 長嶋 修: 本.

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響: 加藤 直樹: 本

12月17日読了。「知ること以上に感じることをめざした」と著者自身が言っているだけに、やや情緒的な傾向がなくもないが、それでも質の高いノンフィクション。ちなみに、残念ながらこの種の本では日常的なことになってしまったが、Amazonのレビューでは罵詈雑言に近い批判がめだつ。しかし恐らくそうしたレビュワーはこの本を読んでいない。というのも彼(女)らはそのような罵詈雑言自体がこの本の叙述を裏付けるものになってしまっていることに気づいていないからだ。『NOヘイト~出版者の製造責任を考える』に収録された講演のなかで著者は「今は8月31日(関東大震災の前日)なのではないか」という危惧を口にしているが、Amazonの本書への低評価レビューは、まさにそのことを実感させる。

Amazon.co.jp: 九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響: 加藤 直樹: 本.