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山川徹『国境を越えたスクラム 日本代表になった外国人選手たち』(中央公論新報社)

これも2019年ラグビーワールドカップ以前に書かれた本。

(元)選手たちに対する著者の取材は、おおむね過去~現在という時系列に沿っているのだけど、外国出身選手に対する私自身の印象も、この本で彼らが語る状況を反映して変わってきたように思う。正直なところ、大東大がブイブイ言わせていた頃、伝統校(というか早稲田)ファンの自分に「ガイジン使うのはズルい」という意識があったことは否定できないのである。

ただ、当時の外国出身選手については、何しろラグビーファンとしての成熟度が全然だったこともあって、それほど鮮明に覚えているわけではない。

私が本格的にラグビー観戦に没頭するようになったのは、本書で言えば、やはりホラニ龍コリニアシ以降の時期。読んでいても、さすがにそのあたりからは自分にも猛烈に思い入れがあることを痛感する。

冒頭に書いたように刊行はRWC2019前で、営業的にはワールドカップに便乗して売れれば、という戦略もあったのだろうが、回顧的に読んでも、「これがあのワールドカップにつながっていくのか」と思うと胸が熱くなる。

何よりも、彼ら外国出身選手が代表する「国」とは、「日本」とは、という著者の問いかけが秀逸である。