ウチダ先生の人脈でもあり、いろいろと言動が興味深い(物議を醸すともいう)筆者の本なので、書店の店頭で気になっていたのだけど、たまたま仕事でこの種の知識を必要とする原稿が回ってきたので、購入。
手軽な入門書という感じ。深みや刺激という点ではだいぶ前に読んだ井筒俊彦『イスラーム文化』のほうがはるかに上だが、参照用として便利なのと、現代の事象(最新で昨年6月のトルコのクーデター未遂事件)にまで言及されているところがよい。あと、筆者自身がムスリムなので、その視点で書かれているところがよい。細分化された項目立てになっているので本書自体が事典的に使えるといえば使えるのだけど、それでもやっぱり索引は欲しかった。
ただ、これを読んでも、「ああ、イスラム教もなかなか良いなぁ」という気持ちにはならないんだよなぁ。一神教に親和性がないわけではないのだけど。