読んだのは2月中だったと思うが、記録するのを忘れていた。
2012年1月に読んだ本の再読。
映画も含めて遠藤周作『沈黙』をめぐる言説を目にしていて、ふとこれを思い出した。神学というよりは、宗教論である。つまり、神はどのようなものであるかという信仰の問題ではなく、宗教はどうあるべきかという社会的実践の問題である。
初読のときも印象に残った箇所だが、東日本大震災を「天罰」とか言った愚鈍な権力者を想起しつつ、この一節を引いておきたい。
保険会社は地震やハリケーン、その他の自然の災害を『神の行為(Act of God )』と表現しています。(中略)私にとって、地震は『神の行為』ではありません。神の行為というのは、地震が去った後で生活を立て直そうとする人びとの勇気のことであり、被災者を助けるために自分にできることをしようと立ち上がる人びとのことなのです」(p91~92)