中島京子『小さいおうち』(文春文庫)

平穏な日常が淡々と戦争に引きずられていく、という点で、かなり『この世界の片隅に』と重なる設定だが、これも優れた作品。恋愛小説でもあるけど、けっこう含みのある関係で読み応えがある。先日読んだ『文学の読み方』(さやわか)に、今はむしろ直木賞受賞作の方がいわゆる「純文学」の雰囲気を残しているのではないかというような指摘があったが、直木賞を受賞したこの作品を読むと、確かにそんな気がする。

図書館で借りたのだけど、返却する前に地元の書店で買ってしまった。お勧めです。

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