特に新型コロナ禍が始まって以来、医療ジャーナリストである著者が手がけた諸専門家へのインタビュー記事には多くのことを教えられてきた。
その著者のエッセイというか、イタリアンレストランでバイトした経験を綴った書。
う~ん、書く対象(バイト先のレストラン、シェフ、常連客)との距離の取り方が近すぎて、読者としては却って引いてしまう印象がある…。noteで綴られてきた「バイト日記」がベースということで、確かにウェブで読むならいいけど、紙の書籍だとちょっと…と感じてしまうところが、そもそも私は読み手として感覚が旧いのかもしれない。
ただ、その中でもやはり本領(?)発揮というか、医療ジャーナリストとして日々書いている内容との整合性に葛藤する章(「休めない、帰れないシェフ」)は出色。あとはALS患者の配偶者を持つ常連客について書かれた章。
来月には医療ジャーナリストとしての単著が出版されるとのこと。そちらにも期待。