ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟(1)』(亀山郁夫・訳、光文社古典新訳文庫)

たぶん最初は高校生の頃に読み、大学に入ってからか、その後の20代の時分に一度は再読しているのだが、そろそろちゃんと読み返さないと、と思っていた作品。

誰の訳で読もうか迷ったのだが、この作品が世界最高の傑作であると主張する大学時代の同級生が、とりあえず亀山訳で読んでおけと言うので、この新訳への賛否は分かれているようだが、アドバイスに従う(彼は複数の訳を読み比べているはず)。

かつて読んだのは江川卓訳のように思っていたが、新潮文庫だったという記憶もあるので原卓也だったかもしれない。家には旧仮名遣いの古いものもあったはずだが、それは米川正夫かな?

亡母が「ドストエフスキーは登場人物がみな叫んだり怒鳴ったりしてばかりで読んでいて疲れる」と悪口を言っていたのを懐かしく思い出す(本人の専門はチェーホフ)。まぁ、確かに(笑)

で、やはり再読して正解と思える面白さ。この第1巻から、さっそく歯応えのある宗教論的な部分があるにはあるが、そういう部分も味わい深く読めてしまうのは、やはり読者としてもそれなりに馬齢を重ねてきた効果なのだろうか。どの訳にするか迷っていたこともあって図書館で借りて読み始めてしまったのだけど、これは買い直すかな(しかしそうすると、どの訳を買うかでまた迷う)。

昨今の情勢を理解するうえで有効かどうかはともかく、「ロシア的」という概念に注意しつつ読み進めていきたい。

勢いがつきはじめると読むのは速いので、すでに2巻に進み、それもそろそろ終わりが見えてきた…。

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