島田雅彦『パンとサーカス(kindle版)』(講談社)

東京新聞に連載されていて、たぶん昨年8月末に完結した新聞小説。いちおう読み続けていたのだが、夏のあいだ、東京オリンピックとデルタ株から逃れるために自宅を離れており、新聞の購読を停止していたので、この小説も終盤だけ読めず、少し心残りに思っていたので、kindleで購入。

政治的な立ち位置という点では著者とはけっこう近いはずなので、この作品で描写される日本社会の問題などについては、うんうん、そうだよな、と思う部分は多いのだけど、それは文学作品としての価値とはあまり関係ないのか、この小説は駄作というか、読む価値はないと思う。ふと思い出したのが百田尚樹『永遠のゼロ』で、政治的な立ち位置は対照的であるとしても、作品の質には大差がないように思う。いや、それでも『パンとサーカス』の方がところどころ細部で読ませる部分があるだけ、さすがに上か。

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