サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(野崎歓・訳、新潮文庫)

しばらく前に、いつもの駅前の書店で竹内康浩・朴舜起『謎ときサリンジャー』(新潮選書)という本を見かけ、興味を惹かれて手に取ったところ、まずは『バナナ・フィッシュにうってつけの日』を読んでおかねばなるまいということで、『ナイン・ストーリーズ』へ。サリンジャーは『ライ麦畑でつかまえて』『フラニーとゾーイー』をいずれも野崎歓の訳で30年以上前に読んだくらいで、『ナイン・ストーリーズ』は初めて。

短編小説は難しい。

わずかなページ数のあいだにスッと作品の世界に入っていかなければいけないし、片言隻句も読み逃してはならない、という気になる。読了するのに要する時間が短い分、読書の強度が高い感じ。私としては、とにかく長い小説が好みなので、そういう短時間高強度の読書はどちらかといえば苦手かもしれない。ひとまず、竹内氏の『謎とき…』で、プロレベルの高強度の読みを味わうのを楽しみに…。恐らくその後でもう一度(あるいは何度か)読み返すことになりそう。

 

 

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