三品輝起『すべての雑貨』(夏葉社)

西荻窪の雑貨店主が書いたエッセイ集。

すべてのものが雑貨へと鞍替えしつつある、という把握が一貫したテーマ。確かに、「雑貨屋」と称する店に衣類や文房具、食器や調理器具や工具類、あまり大きくなければエレクトロニクス製品、あるいはCDや書籍が並んでいることを不思議に感じる人はいない。恐らくそれは、「もの」をカテゴリーで分類するのではなく、スタイル(著者は「系」という言葉で表現しているように思える)のなかに位置付けるという態度の変化によるものなのだろう。

途中、こんな風に書かれたら、今なら当然この歌詞で検索するよなぁ、と誘ってくる叙述がある(ところで著者はその後検索して突き止めたのだろうか)。注文どおり(?)調べてみたら、簡単に曲名も誰が歌っているかも分かるのだけど、ある意味、こういうのも情報の雑貨化なのかもしれない。

Amazonでは扱いがないようなので、書影は版元のサイトより。

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