岡田暁生『西洋音楽史~「クラシック」の黄昏』(中公新書)

年末に『メサイア』を聴いていて、こんな本を読みたくなった。

最初に「俗に『クラシック』と呼ばれている芸術音楽」を、「楽譜として残された知的エリート階級の音楽」と定義し、以下その歴史を、中世~ルネサンス~バロック~ウィーン古典派~ロマン派~世紀末~二〇世紀と、その折々の政治的な情勢と絡めつつ、通史的に検証していくという作り。

けっこう著者の主観が入っている(著者自身、そのように書くと宣言もしている)ので、特定の音楽家に思い入れのある人が読むとけっこう反発を感じる部分もあるのかもしれないが、私としては、馴染みのない作曲家や時代はあっても、特に偏愛する対象はないので、その点は問題なかった。もちろん、そういう馴染みのない作曲家の作品を聴いてみようという動機は十分に与えられる。

子どもの頃に少しピアノを習っていた身としては、ハノンやツェルニーが「西洋音楽史」のなかに確固たる意味を持つ存在として位置付けられているのが興味深い。

図書館で借りたのだけど、いずれ再読したいので電子書籍で買うかも。

 

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