高松晃子『スコットランド 旅する人々と音楽』(音楽之友社)

家人がスコットランド音楽に魅了されているようなので、何か良い本はないかと探してみたら、これが見つかったので図書館で借りて、先に読んでしまった。

う~ん、民謡の世界だ! それぞれの一族に伝わる「バラッド」は「大きい唄」と呼ばれるという。なんかそんな言葉をこちらの世界でも聞いたことがある。返し…じゃない、リフレインの部分を同席した皆で唱和することでコミュニティとしての一体感を確認しつつ、メインの唄の部分についてはそれぞれの家に伝わる歌い方を披露し、個性と先祖との系譜を承認し合う…。

そして、コミュニティのなかで歌い継がれてきた唄が「発見」され、商業化されたステージの世界に進出していき(あるいは取り込まれ)、コミュニティは変質していく…。

音階(旋法)の説明など、音楽の知識が必要な箇所も少しばかりあるが、9割方は、そのような知識なしに楽しめる本。いま家人が読んでいるのだけど、戻ってきたら、紹介されているミュージシャンを手がかりに音源を探してみよう。

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