芹澤健介『コンビニ外国人』(新潮新書、kindle版)

これまた大学時代の友人が紹介していて気になった本。彼がこの本に出会った経緯が面白いのだけど、それはさておき。

実際、家の近所であれ、会社の近所であれ、私が訪れることのあるコンビニにも、必ずと言っていいほど日本出身らしからぬ店員がいる。あの人たちは、どういう経緯で、あそこで仕事をしているのか。そういう興味をちらりとでも抱いたことのある人は少なくないはず。

そういう切り口から、少子高齢化・人口減少、そして「2020」後に必然的に生じると思われる日本経済・社会の衰退といった問題へと視野を広げていく好著。

といっても、必ずしも暗澹たる未来を描いているわけではなく、希望のある、それも(今のままの政策ではダメなんだけど)それなりに現実味を感じられる希望のある道筋も提示されている。

本書のなかで「労働力を呼んだら、来たのは人間であった」というスイスの小説家の言葉が紹介されているのだけど、その「人間を呼ぶ」というのが、希望として見えてくる気がする。

 

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