尾形聡彦『乱流のホワイトハウスートランプvs.オバマ』(岩波書店)

いちおう例の暴露本『炎と怒り』も読まないといかんかなぁと思っていたのだけど、そういえばこれも読みたい本に入れていたことを思い出し、図書館で借りて読んでみた。

ふだんから英文記事の翻訳で米国政界の話題に接することはそれなりにあるのだけど(さすがに2016年はけっこう多かった)、その時々に入ってくる断片的な知識なので、この本を読んで少し見取り図的なものが得られたような気がする。今さらそれでいいのかという話ではあるが、少なくとも私のレベルの翻訳なんて、その程度のものだ(笑)

この本は、2016年の大統領選以前から、だいたい就任後半年に満たないくらいまでの期間を中心に、メディアとの確執を織り交ぜながらトランプ政権の迷走を描いているのだけど、ここに登場する政権幹部がもうほとんど残っていないというのが、いかにも象徴的(クシュナーとロスくらいか?)。著者も2018年の時点でここまで入れ替わっているとはさすがに想像していなかったのではないだろうか(笑) その一方で、最高裁裁判官の人事がいかに重要かという点がしっかり書かれているのが印象的。

そしてそれに対比するように、この本の後半、オバマの広島演説の背景に触れた部分は心を打たれる。著者はオバマとその側近たちが好きだったんだろうな。まぁそれが当然だが。

 

 

 

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