沖浦和光『幻の漂泊民・サンカ』(文春文庫)

何がキッカケだったのか忘れたけど「読みたい本」にリストアップしていたことに先日気づき、図書館で借りてみた。

Amazonの紹介によれば、

一所不住、一畝不耕。山野河川で天幕暮し。竹細工や川魚漁を生業とし、’60年代に列島から姿を消した自由の民・サンカ。「定住・所有」の枠を軽々と超えた彼らは、原日本人の末裔なのか。中世から続く漂泊民なのか。従来の虚構を解体し、聖と賎、浄と穢から「日本文化」の基層を見据える沖浦民俗学の新たな成果。

という本。

著者がすでに採取した、かなり重要な証言が最終章まで伏せられているので、何だかズルい構成という気がしなくもない。とはいえ、なかなか面白い本ではあった。結論はつまらないと言えばつまらないのだけど、しかしそうやって差別や蔑視の感覚というのが生まれていくのだなぁという点では意義深い。

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