藤沢周平『孤剣-用心棒日月抄』(新潮文庫)

というわけで、続編も読む。

幕府直属の「公儀隠密」に比べて、小藩に属する特殊部隊にすぎない「嗅足組」(の女性たち)が強すぎるのに違和感を抱くが、まぁ主人公サイドなので(笑)

前作から引き続き、用心棒仲間の細谷源大夫や口利き屋の相模屋吉蔵といった脇役が良い味を出している。

そういえば以前、琉球民謡関係のライブのお手伝いをしたことがあり、依頼を受けたときに「ティマを出せなくて申し訳ないのだけど」と言われた。「ティマ」=「手間賃」で、要するにノーギャラでよろしくということだなと理解したのだけど、その後ウチナーグチ辞典みたいなサイトで調べたところ、それで正解であった。

この『用心棒日月抄』シリーズを読んでいると、用心棒稼業で稼ぐ報酬が「手間」と呼ばれている。内地でも、ギャラのことを「手間」と呼んでいたわけで、ひょっとすると、元は内地から琉球に伝わった言葉が今も残っているのかもしれない、などと想像する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください