藤沢周平『蝉しぐれ』(文春文庫)

家人の実家には藤沢周平作品がけっこう揃っていて、年明けに新年会で訪れた際に、「『たそがれ清兵衛』を読んだけど、次に何を読もうか」と相談したら、この作品の名が挙がったので借りてきた。

一つの中編作品なのだけど、それを構成する一章一章が独立した短編でもあるかのように存在感があって、そこがよい。一気に何章も続けて読むのではなく、一章ずつ、日数をかけて読んでいく感じ。

巻末の解説で西欧の近代小説との類似が指摘されている影響もあって、読後、何となく、フローベール『感情教育』を再読したくなった。

(↓ 画像とリンク先はkindle版だが、現行の文庫版は上下二冊になっているようなので。私が読んだものは一冊)

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