幡野広志『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』(ポプラ社)

中学時代に写真部だったのだけど、ちゃんと写真を勉強したことはないし、教えてもらった覚えもない。聞きかじり、又聞きなど、この本のなかで「三次情報」と批判されているような知識だけに頼って撮っていたように思う。

で、Twitter(現X)で著者が書いていたアドバイスに感心したことがあり、評判の良いこの本を買ってみた。

詳しい人が読めばもちろんいろいろ突っ込みどころはあるだろうし、何を撮りたいかによってはこの本のアドバイスがまったく見当外れになってしまう場合もある。とはいえ、私のようにちょっと写真に関心のあるシロウト向けの一般論としては、「おおっ」と思えるような教えがいくつも含まれているように思えた。「ヘタだけどいい写真」の作例として挙げられている写真も、なるほど、いい写真だ。

ただ、いくぶん整理不足を感じる部分があり、スマホだろうと安手のコンパクトデジカメだろうと使っている機材にかかわらず即座に実践できるアドバイスと、「そんなの、それなりの金額を払ってちゃんとしたカメラを買わなきゃ無理じゃん」というアドバイスが混在している。たとえば、「何が何でもRAWで撮れ」と書いてあるので、よし、そうしようと思って自分のカメラ(スマホ)を見てもその設定が無い、という状況はけっこう多いのではないか。

とはいえ、良い本。まぁプロはこんな本読まないだろうし、もちろん読む必要もないだろうけど、プロに読んでもらって、ツッコミを聞きたい。

(なお、この表紙のイラストにはあまり感心しない。著者の家族構成を反映しているのだろうから、こうなってしまうのは無理もないのだけど)。

 

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