藤沢周平『たそがれ清兵衛』(新潮文庫・kindle版)

時代小説や剣豪モノは、それほど頻繁には読まないけれど嫌いではなくて、この読書ブログでも、新聞連載を機に読んだ葉室麟の三部作について投稿したし、中学生の頃から(一家で・笑)吉川英治『宮本武蔵』『鳴門秘帖』あたりは読んでいた。

もっとも『宮本武蔵』はあまりにも求道者というか、ストイックかつ暑苦しい印象を抱いてしまう面もある。

実は藤沢周平の作品を読むのはこれが初めてなのだけど、この人の作風なのか、特にこの短編集がそうなのか、主人公はそれぞれ凄腕の持ち主ではあるのだけど、そこが突出することなく、いわば爪を隠して平凡な生活に埋もれている感じが良い。もちろん、戦乱の余韻がまだ残る時代設定と、徳川の治世が続いて、むしろ行き詰まりの空気が漂う時代設定とでは、自ずから人物造形も変わってくるのだろうけど。

確か義母がこの作者については詳しいはずなので、お勧めを教えてもらおう。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください