村上政彦『結交姉妹』(鳥影社)

新聞の小さなコラムで紹介されていて気になった作品。

漢字ではなく、女性のために、女性が作った、男性には知られていない文字「女書」。

その文字で書かれたメッセージで地縁血縁関係なくつながる女性のネットワークを軸に、古代から現代まで紡がれるストーリー。中心となる舞台は、日中戦争期の中国。

女書の存在も含め史実をベースとした部分とファンタジックな部分が交錯しているが、ややどっちつかずになった感がある。そういう文字の存在だけでもかなり想像力を刺激するので、あまりファンタジックな要素に走らなくてもよかったかもしれない。とはいえ、特に金魚のあたりなどはけっこう好きな雰囲気ではある。必読とまでは言わないが、まぁ読んでも損はない。

 

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