相島敏夫・丹羽小弥太『こんなことがまだわからない』(講談社ブルーバックス)

子どもの頃、といってもさすがに中学生にはなっていたかと思うのだが、その頃読んだブルーバックスとして思い出深いのが、この本。刊行が1964年だから、私が生まれる前。私が読んだのは第何刷だったのだろうか。

本書で、科学における未解明の謎として紹介されているもののうち、私が初めて読んだ時点でも恐らくかなりの程度解明されていたものはあったのかもしれない。いわんや、初版から半世紀以上も経った今この本を読むと、ほとんどの項目について「こんなことはもうわかっているのでは?」と感じることになる。

つまり科学はそれだけ進歩したのだ。

ブルーバックス編集部には、『あの「謎」は解けたのか-こんなことがまだわからない・答え合わせ編』みたいな本(あるいはウェブサイトでもいい)を是非出してもらいたいものだ。

とはいえ、そういう時代遅れの内容であっても、この本を読んでいると、何というか「科学の営み」とでも呼ぶべきものを感じることになる。

それは結局のところ、

科学は一つ問題を解くと、また一つ新しい問題を発見します。かくて科学は永久に「未知への挑戦」をつづけていくのではないでしょうか。(本書159ページ)

ということなのだ。

なお、今回あとがきを読んで知ったのだが、本書の元になったのは、「暮しの手帖」「婦人画報」の連載とのこと。なるほど、「暮しの手帖」か。

 

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