アーサー・ミラー『セールスマンの死』(倉橋健・訳、ハヤカワ演劇文庫)

先日観劇した作品。戯曲も読んでみる。

けっこう思い切った演出をしていたようにも見えたが(たとえば戯曲におけるラストシーンが先日の舞台では存在しなかった)、受ける印象に大きな差はなく、その意味では原作に忠実な演出だったとも言える。

それにしても、戯曲で読んでも救いのない内容である…。チェーホフの作品も憂鬱ではあるが、まだしも希望があるように思える(それでも希望を抱いてしまうこと自体が悲劇であるとも言えるかもしれないけど)。

第二次世界大戦の戦勝国でありながら、戦後間もない時期にこういう作品を生み出してしまうことが、逆説的ではあるが、アメリカという国の闇であると同時に懐の深さなのかもしれない。

 

 

 

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