上野裕一『激動する日本と世界のラグビー』(辰巳出版)

確か吉祥寺のカンタベリーショップに置かれていて気になった本。

基本的には、サンウルブズを潰した日本ラグビー協会の守旧派、といって悪ければアマチュアリズム信奉派理事への恨み節。誰がそれに該当するのかは明示されていないけど、スーパーラグビー参戦を支持していた理事などの名前は実名で書かれているので、当時の理事会のメンバーを調べればだいたい見当はつく、といったところ(いや、実際には調べてませんが・笑)

そういう告発の書としての要素が大きいので読んでいて楽しいばかりの本ではないのはもちろんなのだが、それでも、著者のサンウルブズ愛、ラグビー愛が横溢していて、とても共感できる一冊。特に、2019年の「ウルフパック」に対する違和感については、私自身も強烈に感じていただけに、よくぞ書いてくれたという思い。サンウルブズが日本代表強化のツールとしての位置付けで出発したにもかかわらず(その意味でも「ウルフパック」は奇妙な存在だった)、それを超越した存在としてファンに愛され、日本に従来とは違うラグビー文化を生み出したという点を、ジャパンエスアール社員の言葉を交えつつ語っているところが良い。

刊行は2019年7月。つまり、2019年ワールドカップが成功するのか、日本代表の強化はうまく行ったのかという、「答え合わせ」を待つことなく書かれた潔い本だが、その潔さは十分に報われていると思う。

 

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