波瀾万丈の冒険を潜り抜けて、故郷のイタケに帰還してめでたしめでたし、という話のように記憶していたが、そうではなかった。帰還して、その後の話がけっこう長いのだな。
ただ正直なところ、その部分はさほど面白いとは思えない。何というか、女神の助力による部分が大きすぎるような気がして、そりゃまぁうまく行くよなぁとは思うけど、ご都合主義に過ぎるのでは、という印象。
これもやはり『ホメーロスのオデュッセイア物語』を子どもの頃に読んでいるのだが、『イリアス』に比べて読み返した記憶が薄い。やはり『イリアス』の方が面白かったのかな。
さて『オデュッセイア』を読んだところで、この作品についての熱心な分析があった『啓蒙の弁証法』を読み返すと、また違った印象が得られるのだろうか…。