ホメロス『オデュッセイア(上)』(松平千秋・訳、岩波文庫)

少し寄り道したものの、『イリアス』に続いて、『オデュッセイア』へ。

言わずと知れた、トロイア戦争の英雄の一人であるオデュッセウスが苦難の長旅の末に故郷に帰着する物語。困難な長旅や探求をodysseyと称するのは、ここから来ている。2001:Space Odyssey(邦題『2001年宇宙の旅』)みたいに。これもやはり、たぶん小学生の頃に子ども向けのバージョンで読んでいるので、あまりハードルは高くない。

で、オデュッセウスが主人公のはずなのだが、100ページ以上読んでも本人は登場しない。そして知略並ぶ者なき英雄であるはずなのに、オデュッセウスくん、けっこうお馬鹿な失敗もやっている(笑)

それにしても、こういう時代的にも内容的にも浮き世離れした作品を読むのは楽しいなぁ。以前にも触れたように、3.11のときにはロバート・パーカー『初秋』に救われたものだが、今回もやはり、こうした作品に逃避しているのかもしれない。

引き続き、下巻へ。しかしもう、覚えのある冒険はだいたい済んでしまったような気がするのだけど、あと何だっけ?

 

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