友人が読んでいるとのことで気になった。何しろゴールデンウィークや夏休みを過ごすことの多い茅野市は「縄文のヴィーナス」に象徴される縄文文化の聖地(?)なので、縄文と言われるとつい反応してしまう。
現代人のさまざまな悩みに、縄文人(になりきった著者)が回答するという作りなのだけど、寄せられる悩みも本格的なものはそれほど多くなく、回答もバカバカしいと言えばバカバカしい。
では、読む意味のないくだらない本なのかというと、そう捨てたものではなくて(まぁくだらない本かもしれないが・笑)、『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』のなかで羽生善治が言っているように、大事なのは「様々な種類の物差しを持つ」、つまり複数の評価軸を持っておくことなのだ。
その意味で、この本はふざけた調子で書かれてはいるけど、現代とはかけ離れた価値観で悩みを見直してみるというアプローチ自体はきわめてまともだし、ときには有効である場合もありそうに思える。そもそも、読書をする意味の一つは、自分とはかけ離れた価値観を知ることなのだしね。