よく行く図書館には貸出カウンターの前に「返却されたばかりの本」が置かれているワゴンがあるのだけど、そこでふと目について借りてみた本。
訳者の名前をチェックするべきだった。どうも私はこの訳者が苦手……というか、いや、この人、下手でしょ。『クルーグマン教授の経済入門』は誤訳がめだったのですぐに放り出して原書を読んだのだけど、本書については誤訳は(たぶん)なさそう。しかし、原書の(学者らしからぬ)くだけた文体の雰囲気を伝えようという試みは、スベりまくっている。
たぶんこの翻訳者は、英語がたいへんよくできる人なのだろう。そして、「私は英語がよく分かっている、原文はこんな雰囲気だ、その雰囲気を再現するぞ~」と頑張っているのだけど、その分(あるいはそのせいで)、日本語が疎かになっている。
(翻訳ではなく)オリジナルで、そういうくだけた雰囲気の(そして面白い)日本語の文章を書ける人ならば、良いのかもしれない(たとえば小田嶋隆だ。賛成しない人もいるだろうが)。
いや、もしかしたらこの本は下訳者を使っているのかもしれない(使うよね、普通)。学生とか。というのも、章によって出来にバラツキがある。「父と子」というテーマに関する章は日本語もそれほど悪くない。他がひどい。東大の入試ならば受かるレベルだ(30年前ならね)。でも、それは「英文和訳」ではあっても翻訳ではない。
おっと、内容については何も触れていなかったね。つまらないはずがない。だってスター・ウォーズだもん。英語が苦にならない人は原書で読んだ方がいいだろう。そこまでする価値があるかどうかは疑問だが。
クルーグマン教授の誤訳、ご指摘頂ければ幸いです!
前のコメントのメール、正しくは
hiyori13@alum.mit.edu
です。すみません
いま手許にないので、しばしお待ちを。
一つは「○○の××%」的な表現の部分だったと記憶しているのでわりと簡単に探せると思うのだけど、他のを覚えているかなぁ……。
昨夜自宅に戻って探したのですが、手許に残っているのは原書のみでした。
これではお返事できない(さすがに原書からだけでは「このあたり」ということしか思い出せない)と思ったのですが、Amazonのレビューに書いてありました。★2つのレビューは2件だけですので、すぐに見つけていただけるかと思います。ご参照ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4480092153/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_Mw-QCbHC1HZC5
あ、文庫版で読んでいたのか。ハードカバーを買ったような気がして、そっちばかり探していた……。