酒井順子『ユーミンの罪』(講談社現代新書)

荒井由実~松任谷由実のデビュー(『ひこうき雲』1973年)から『DAWN PURPLE』(1991年)までのアルバム(すべてではない)を時系列を追って社会学的に読み解くという構え。なぜ1991年のアルバムまでかというと著者がニューアルバムを追いかけていた時期がそこまでだったから、という個人的な理由だし、かの『負け犬の遠吠え』に引き寄せるという意味で我田引水的な解釈も目立つような気がします。

歌の受け止め方なんて人それぞれなのだから、それをこうやって時代背景に合わせて解釈していこうとするとどうしても類型的になってしまって、そこからこぼれ落ちる要素が山ほどあるのは、ある程度、必然なのでしょう。

とはいえ、面白かったです。

私が高校~大学の頃は、その頃創刊された「Men’s Non-no」やその少し前からあった「HOT DOG PRESS」といった男の子向けファッション雑誌で、ユーミンの歌で知る女の子の心理、みたいな特集が何度か組まれていたような気がします(なんで知っているのだろう、という気もしますが)。

ちなみに、本書で取り上げられているアルバムのうち、多少なりとも覚えがあるのは『Delight Slight Light Kiss』(1988年)まで。といっても、「あ~新しいアルバムが話題になっているなぁ」と思ったくらいで、ちゃんと聴いてはいない。『LOVE WARS』(1989年)に収録されている「Anniversary」という曲は知っているけど、たぶん後に出たベスト盤で聴いているのでしょう。

その後の曲はたぶんほとんど知らないんじゃないかな。つまり、私にとっては「昭和」と共に終っている感じ。といっても、彼女の曲をちゃんと聴くようになったのは、むしろその後なんですが。

 

 

 

 

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