2015年1月10日くらいに読了(実はこういう本もけっこう好き・笑)。
表題には「動ける身体を一瞬で手に入れる」とあるが、むしろ「一瞬で動ける身体」を手に入れる、とするべきではないかと思う。この本が主張するメソッドには確かに一回やるにはさほど時間はかからないけど、それなりの期間、蓄積していく必要はあるみたいだし、そもそも、「チーターなどの野生動物はストレッチも準備運動もなしに、即座に最高速度で行動できるのに、なぜ人間にはそれができないのか」みたいな疑問から始まっている本なので、「一瞬で手に入れる」というより「一瞬で動ける」に比重を置くべきではないかと。
ところでこの「チーターなどの野生動物は……」とかいう話はときどき目にするのだけど、けっこう的外れではないかと思う。「それでも肉離れを起こしたチーターなんて見たことがありません」みたいな感じで続くのだけど、いや、それ分かりませんから。肉離れを起こしたチーターも実はいるのだけど、そういう個体は獲物を捕れずに飢えて死んでしまったのだろうし、同じく一瞬で最高速度で逃げるであろうシマウマのなかでも、たまたまストレッチに不熱心で肉離れを起こしちゃった個体が捕まって食べられてしまうのかもしれない。藪に潜んで獲物を待つチーターや、佇んで草を食むシマウマは、一見動いていないように見えて、実は念入りにストレッチをしているのかもしれない。
と、つい下らないツッコミを入れてしまうのだけど、それはそれとして、この本が推奨するメソッドはなかなか面白く気持ちが良いのでお勧めです。