ひとまず、たいへん面白かった。
現代の読者から見れば、ありがちな人物造形、お約束の紆余曲折かもしれないけど、それは事の順序が逆と言うべきだろう。
下巻に入ってまもなく、「ああ、これが『執事とメイドの裏表』で紹介されていたところか」という場面に至り、平行して、ロンドン郊外のマナーハウスで、邸内や庭園を案内してくれた義妹の夫君の様子も懐かしく思い出される。そして事件が起きるのが浜辺の街ブライトンなのだなぁ(笑)
で、うまく説明できないのだが、この小説を読み終わってふと思ったのは、自分はたぶん結婚してから、以前よりもだいぶ善良な人間になったのかもなぁということ(自分で言うなよって感じですが)。