少し前に読んだ『フラッシュ・ボーイズ』が面白かったので、他に何かないかと同じ著者の作品を探すなかで、これを選んだ。
やあ、これも面白かったです。
他の人が情報として扱わないデータから情報を得て、他の人が重視する情報を無視する、偶然性に左右される部分は軽視して、そうでない部分に注力する……そういう方法論で競争優位を得る、というような話。
この本は野球界が舞台なのだけど、いま私が一番大きな関心を注いでいるのはラグビーなので、こういう本を読むと当然ながら、「ではラグビーではどうなのだろう」ということを考えてしまう。しかし、そうやってちょっと考えてみるだけでも、野球というのは、チームスポーツのように見えるけど、守備のごく一部の局面を別にすれば、実は個人スポーツの集合体なのだなぁという印象。
でもラグビーでも、たとえば後藤翔太みたいに、「相手よりたくさん走って勝つんじゃなくて、相手の方をたくさん走らせた方がいい」とか、「なるべく最高速で走らないようにする」とか、そういう「え?」と思うような戦略を考える人もいるわけで、なんかそういうのと重なる気がします。