東京新聞の書評欄で紹介されていて、何となく気になって読んだ本。敢えていえば、『戦争は女の顔をしていない』のロシアつながりかも。
7年という長期、地理的にもけっこう広大な戦地、何カ国も絡む複雑な情勢だったのに、日清・日露戦争と、日中戦争~太平洋戦争に挟まれて、あんまり関心が注がれていないシベリア出兵を集中的に研究した本。著者は私よりもかなり若い、40前の研究者。
この頃の日本の政治家・軍人は、もちろん帝国主義的な動機に基づいて動いているわけで、そのこと自体はまったく評価できないのだけど、それでも他国との駆け引きとか冷徹な国益の計算とか、けっこう「頭のいい」感じで動いていたのだなぁという点に強く印象づけられました。
で、ふと『はいからさんが通る』の背景って、このシベリア出兵だよな、と思い出して、読み返したくなりました……。