ナチスの御用学者として知られる著者。
それほど深く読み込んだわけではないけど、なんかこう、わりとよく見る思考パターンが表われているような気がする。
どういうことかというと、ある原理(理想と言ってもいい)が、現実にはうまく適用されていないというだけの理由で、その原理を「使えない」ものとして却下してしまう、というパターン。この本のテーマで言えば、議会主義を支える精神的基盤である「公開性」と「討論」が、現代(というのはつまりワイマール共和国時代だが)の議会ではうまく実現していない、だから議会主義はもうダメなんじゃないか、みたいな考え方(乱暴なまとめ方だけど)。
「独裁」がどのようにして台頭するかみたいな部分は(もちろん独裁を正当化する気味はあるものの)面白かった。