藤沢周平『凶刃-用心棒日月抄』(新潮文庫)

完結。これまでの三作品に比べると、謎解き要素の多い筋立て。「おりんさん」の再登場はなかった(笑)

シリーズ四作品を読んでみて、やはり一番面白かったのは第一作だな、と思う。この『凶刃』の解説(川本三郎!)でも触れていたと思うが、主人公の青江又八郎が純粋に「浪人」であるのは、第一作だけなのだ。残り三作は、脱藩という体裁を取り用心棒暮らしをしているという設定でも、実は藩のために働いている。第一作では「あの人が来たら潔く斬られよう」という達観があったのも良かった。

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