『セキュリティはなぜ破られるのか』『ブロックチェーン 相互不信が実現する新しいセキュリティ』『5G 大容量・低遅延・多接続のしくみ』(いずれもブルーバックス)と、IT系の著作をいくつか読んできて気に入っている著者。
本書はタイトルからするとまったく別の、著者にとっては畑違いであるはずの育児・障害児教育分野の本なのだけど、自閉症について考察・説明する場合でも、IT方面の著書で見られた巧みさが遺憾なく発揮されているところが面白い。発達障害の子について、「CPUの性能が悪いとは限らないが、ただしインプット/アウトプットといったユーザーインターフェースがうまく機能していないコンピューター(だからすごく扱いにくい)」という喩えは秀逸だと思う。
そして、知性のあり方というのは実に多様なのだなぁという思いを抱く。