稲葉振一郎『経済学という教養』(ちくま文庫)

Twitterで誰かが勧めていて気になった。新刊では入手できず、図書館で借りたが、kindle版も購入。

「素人の、素人による、素人のための経済学入門」を謳ってはいるが、読者が経済学の素人であるということを前提にしているというだけであって(※)、けっこう負荷をかけてくる本なので、とっつきやすさ、手軽さを期待しない方がいい(そもそも※の部分も若干怪しい気がする・笑)。

つまり、読み応えのある本、ということ。ネタバレになるが、「ここで労働組合に再び光が当たるのか~」というのはなかなか感動的であった(少し強引な印象もあるが)。

文庫版で追加されたという「経済成長擁護論再び」は、気候変動の影響が年々厳しく感じられているなか、さすがに楽観的すぎるだろうと思って読み進めていたのだが、ラストで、経済成長と環境負荷の低減を両立させる策として、ええ~っと思うくらいSF的な構想に至ったのでびっくり。それが希望である(きわめて楽観的ではあるが)という点にはもろ手を挙げて賛成するのだけど、ちょっと本書全体の流れからは浮いている気がする。いや、話としては面白いんだけど、相手が自然であるだけに、そこまで都合よく行くかなぁ。自由市場を前提とする資本主義が人類にとって最適の選択である、その選択を突き詰めて最適化していった結果、環境に適応できずに絶滅する、というシナリオの方が(残念ながら)現実的であるようにも思える。

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