昔(高校生の頃?)読んだのは、これではなくてたぶん『哀愁の街に霧が降るのだ』の方だと思うのだけど、何となくこれを買ってしまった。
自分も昔はこういうのを面白いと思って読んだのだなぁ、という印象。巻末の目黒考二との対談で「昭和軽薄体」として言及されている文体も、冗舌で煩いだけのように思えるし、自由奔放な内容も、いま読むと暴論というだけで、もちろん新鮮さもないし特に面白くもない。もっとも目黒との対談のなかでも「思ったほどひどくないよ」「当時はオレも面白かったんだから、それがこんなに印象が違うとは思わなかった」と言われているので、まぁ本人含め親しい間柄でもそういうものなのだろう。
出版は1979年か。バブルと呼ぶには早いけど、「昔はこういうのが受けたんだな、でも…」という意味では、バブル感の色濃い作品である。