都議選などの影響か、あっというまにオフトピックになってしまった木島対バニラエア事件ですが、あのときに誰かが(というのをちゃんと覚えておかないといけないのだけど)勧めていた本を読んでみました。
論文集なので一般向けとは言いがたい体裁ですが、別にシロウトが読んでも難解で困るというほどでもありません。そして、とても面白い! この本を読んだことによって、あの事件に関する自分の意見が特に変わるわけではありませんが、事件をめぐる背景や今後の展望なんかがよく見えてくる気がします。
そして、
相手に耳を傾けることの困難、相手の声を聞き取ることの困難にぶつかることで、私が「考えずに済んできた」事柄を学び、「考えずに済んできた」私の社会的位置を問わずにはいられないような契機が与えられる。
……
著者たちもまた、障害だけではなくさまざまな差異が承認される社会、特定の差異によって機会平等が毀損されることのない社会をより望ましいものとして想定している。(共に本書終章より)
といったあたりから分かるように、障害に留まらず、もっと幅広い問題まで含めた場合の考え方の枠組みとして参考になるような気がします。