たとえ本格的な戦闘が終結して、軍が撤退したとしても、兵士たちが帰国した、その郷里において戦争は延々と続いていく。
これはアメリカ国内の話だからこうやって立派な本になるけれど、実際に戦場になった国(アフガニスタンやイラク)の内情がここまで報じられることがないだろうとも思う。
それにしても、「リスクが高い」と判断される帰還兵を、たとえば酒や麻薬から遠ざけようとする試みはあるみたいなんだけど、「銃」には簡単にアクセスできてしまうのだなぁ、というところに、強い違和感。
そして、これはまぁ直接的にどうこうという話ではないのだけど、この本には帰還兵、その家族や知人、上官などいろいろな人が登場するのだけど、彼ら・彼女らが「本を読む」場面というのは一回も出てこない。唯一あるのは、聖書だけ。いろいろ考えさせられる。
帰還兵はなぜ自殺するのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) | デイヴィッド・フィンケル, 古屋 美登里 | 本 | Amazon.co.jp.