藤岡換太郎『山はどうしてできるのか』(講談社ブルーバックス)

諏訪地方を頻繁に訪れていることもあって、この著者の『フォッサ・マグナ』を読みたいと思ったのだけど、パラパラと冒頭をめくったら、地質学に馴染みのない人は『山はどうしてできるのか』から読んでほしい、みたいなことが書いてあったので、先にこちらを。

この人の著作は、先に同じブルーバックスで『見えない絶景 深海底巨大地形』『天変地異の地球学』を読んでいるのだが、この『山はどうしてできるのか』が、タイトルは地味なのに一番面白かったかもしれない。『三つの石で地球がわかる』も読みたくなる。そしてたぶんその「三つの石」からは外れるのだけど、この本を読むと沖縄とヨーロッパアルプスの共通項が見えてくるのは実にエキサイティングである。

2012年1月の刊行だが、日本海溝に関する記述の中で東日本大震災への言及はない。行方不明者も多い中で何らかの気遣いがあったのだろうか。しかしこういう学問をやっていると、火山の噴火や地震があっても、災害というよりむしろ学術的な興味の方が先に来たりするのだろうなぁ…。

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