中桐啓貴『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』(クロスメディア・パブリッシング)

「老後2000万円不足」問題が盛り上がるなか、投資を語る本というのはどのようなものか、読んでみた。

株式会社や資本主義の成り立ちについてあれこれ語るのだけど、そのへんがどうしようもなく浅いのは無理な注文というものだろうな。外部不経済の問題とか加味すれば、そこまで資本主義万歳という話にはならないはずなのだが、まぁそういう本ではない。とはいえ、そもそも銀行預金だって資本主義におけるマネーの流通を支える極めて重要な柱だったわけで、かつてはリスクのわりにはそれなりの金利もついていたのに、それがどうしてこうなったか、というあたりにまったく目配りがないのは、さすがに物足りない感がある。

投資(資産形成、か)で成功するには長期保有・分散投資が重要という結論は、まぁそうだろうな、という印象。その意味で、投資入門としては良心的な本なのだろうけど……。

 

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