「フランス」という名前(あるいはトリコロール)でイメージする一つの国としてのフランスは虚像であるというのがよく分かる本。シャルリ・エブド事件やパリ同時多発テロへの反応にものすごく違和感を抱いていた私としては腑に落ちる感じ。どちらの事件も、「イスラム教」はもちろん、「イスラム国」ですら原因ではない、ということが見えてくる。
非常に面白いのだけど、何しろ読みにくい。これまでに2冊読んだ体験からすると著者もけっこう癖のある文章を書く人だろうとは思うのだけど、それにしても、翻訳がどうなのかなぁ……。明らかにこれは変という部分はないのだけど、もう少し工夫のしようがありそうなものだ。
あと、副題は見当違いのように思える。