これも週末に風邪で引きこもっているあいだに読み始めた。単行本の出版当時に買って読んだものの再読。
永井荷風とか和辻哲郎とか、それくらい昔の紀行ものだったら、もちろん現在とは時代状況が違うということはすんなり受け入れられるのだけど、こういう、自分にとっても記憶のある時代の紀行というのは、却って「今との違い」が際立って感じられて、なんだか辛くなることがある。まぁ今も変わらない部分もたくさんあるのだろうけど。
もっとも、そうやって時間の経過とともに変化する面がある一方で、イタリア・ギリシャとたとえば日本の差異は、当時も今もあまり変わらなかったりするのだろうな……。