図書館の新着図書のところに同じ著者の『天変地異の地球学』があって面白そうだったのだが、その前著が本書であるとのこと。図書館の書棚でこちらを見つけて、パラパラとめくっていたところ、日本海溝で人間の生首(実際にはマネキンの頭部)が目撃されるという、一色登希彦の『日本沈没』(小松左京原作によるコミック)に出てくるエピソードが実話であることが分かり、ビックリ。というわけで、こちらを先に読むことにした。
前半は岩手県宮古を出航したヴァーチャル潜航艇が、深海(ときどき空中)を辿って地球を一周する過程で遭遇する海底の巨大地形を観察し、後半はその巨大地形が生まれた謎を想像を交えて考えていく、という構成。当然、話は人類どころか生物さえ存在していない時期にまで遡り、ビッグバンから太陽系の生成にまで及んでいく。
「想像を交えて」というところがけっこうポイントで、その意味ではこの本に書かれている内容の一部は著者独自の仮説にすぎないのだが、そもそもこの分野では想像力を駆使するしかない領域がたくさんあるのだ。それでもコンピューターによるシミュレーションを頼りにできるようになって、かなり変わってきたようではあるけど。
ブルーバックスの常で図版はけっこうあるのだけど、こういう時代なのだから、内容に即したCG動画をYouTubeで観られたりすると面白いのだけどなぁ。
引き続き、『天変地異の地球学』へ。