竹内&朴本で「ビリヤード」への言及が繰り返されていて、つい思い出してしまったのがこの小説で、どうしても読みたくなった。『翻訳夜話2』によれば、本人としてはそういう認識はあまりなかったようなのだが、村上春樹がサリンジャーの影響を受けていないとは考えにくい。「死者」と最後に会ったときにビリヤードをやっていたというパターンは、この小説では2回繰り返されている。だから何、と言われてしまえばそれまでなのだが。
単行本は実家に残っているかもしれないし、今の家には家人が持っていた文庫版があるように思っていたのだが見当たらず、kindleで購入してしまった。
今読み返せば、確かに感心しない部分がいくつも目につくし、それほど評価すべき小説とも思えないのだけど、まぁ一時代を画した作品ではあるな。