これが沖縄の生きる道: 宮台 真司, 仲村 清司: 本

2014年12月28日読了(たぶん)。

随所に興味深い論点がある良い本だとは思うけど、少なくとも(と言うにはあまりにも大きすぎるのだが)在沖米軍基地の問題に関しては、この本は全然ダメだと思う。というのも、問題は「なぜ沖縄に米軍基地が集中しているのか」、あるいは「沖縄の米軍基地を減らしていくためにはどうすればいいのか」というところにあるのではなく、「なぜ本土にはもっと米軍基地がないのか」、ひいては「なぜ本土は日米安保をまっとうに担えないのか」という点にあるからだと思うからだ。在沖米軍基地の問題は沖縄の問題ではなく、本土の問題である。

あと、「沖縄アイデンティティ」や「オール沖縄」という発想に対する批判的な問題提起として沖縄/八重山/宮古相互の差別や対立を指摘するのは正論ではあるのだけど、本土の(つまり宮台の)立場からそれを言うのは、「分割して統治せよ」という発想が裏に透けて見えてしまう。

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